目次
概要
欧州のリヒテンシュタインに本社を置くヒルティは、世界的な建設用の各種工具メーカーです。
ヒルティの従来のビジネスモデルは、工具の製造販売という売り切り型のモデルが主流でした。
しかし、工具がコモディティ化し、競合他社との差別化が困難となり、シェアや収益性の向上には限界がありました。
製品の技術レベルをさらに高めるという選択肢もありましたが、顧客への調査分析の結果、既に顧客の要求は十分に満たすレベルに達していることがわかりました。
そこで、ヒルティは顧客の建設現場で自社製品がどのように使われているか、またどのような課題があるのかに着目しました。
建設現場では工具のコモディティ化により、安く手軽に購入できるようになったことから、細やかな管理やメンテナンスが行き届かなくなり、結果として建設現場での生産性の低下をもたらしていることに気づきました。
そこでヒルティは、工具の売り切りではなく、建設現場で必要とされる工具一式をリースというビジネスモデルに転換することにしました。
これは顧客が個々の工具を個別に購入するのではなく、毎月リース代を払えば、ヒルティが整備された工具を一式提供するというものでした。
これにより、顧客は面倒な工具の調達と管理から解放され、建設現場での生産性の向上を図ることができました。
まとめ
建設用工具メーカーのヒルティは、メーカーによくみられる自社製品の売り切りからリースというビジネスモデルへと転換することで、収益性の向上を図ることができました。